日本語教師ブログ – モンゴル編「ウランバートルの空に」vol.27

幻の秋休み(?)そして第2学期に突入!【後半】

5日(月)
いよいよ第2学期、最初の日。朝一で、日本にホームステイ旅行の引率として行き、昨晩に帰国したばかりのHさんがニコニコ顔でやってきて、お土産に日本のせんべいなどをいただきました。思った通り、最終日は一人で三島から東京まで行ってしまったとのこと。友人がいるらしく、お台場や渋谷にも足を伸ばしたらしいです。

一番、気にしていた11年生の授業では、冒頭に用意しておいた生徒たちへのメッセージ文を配布し、言葉使いや授業中に守るべきこと、そして何よりももっと私を頼ってもらいたいし、お互いに積極的にコミュニケーケションをとって仲良くやっていこう、と真剣に訴えました。いつもはヒネている彼らも、珍しく神妙な面持ちで私の話しを聞いてくれましたが、はたしてこの先、どうなるかはわかりません。

また、日本にホームステイ旅行に行った生徒2人の男子Mと女子Eには、水曜日に報告会をしてもらうよう依頼し、また旅行の感想なども少し聞きました。2人に「先生にお土産は無いの?」と訊くとバツが悪そうにしていました・・・。

6日(火)
11年生用の今学期のテキストについて年配のS先生と相談し、彼から借りたものを使ってみることに。丁寧語をつかっての日常会話に慣れさせたいのと、文法や語彙の導入も測りたいと考えました。報告会を頼んだ11年生のMがスマホで撮った写真を私のパソコンに取り込んでもらいスライドショーができるようにしてもらいましたが一方のEは作業には加わらずブスっとしたまま。

ところがいきなり用紙を私に突き出し、おや?!と思ったら、お世話になった日大へのお礼の手紙でした。ひらがなばかり、意味のわからない箇所も多かったので「先生が直しちゃっていい?」と訊くと、戸惑ったような、迷っているいるような様子。

しかし、結局、お願いされ、すぐさま赤を入れてあげました。ちゃんと洒落た便箋を使って、一生懸命に感謝の気持ちを伝えた内容で、感心しました。

7日(水)
10年生(高1)の授業。まだ日本語学習は始めたばかりの女子一人。英語を交えた簡単な自己紹介の後で、アンケートを書かせてみました。「ひらがな」からのスタートで、まだまだ、これからですね。

11年生の授業では、MとEに『ホームステイ旅行の報告会』をしてもらいました。彼らが撮った写真30数枚を見せるだけ。成田空港、日本大学のキャンパス、校舎や学食、調理実習の様子、そして富士山や海、神社、日本の風景など・・・。モンゴル語でいいから説明をしなさいと言ってもモジモジしてあまり話してくれません。僅か15分程度で終了。

それでも見ていた他の生徒たちからは何度か拍手が起きたり(?!)して結構盛り上がり珍しくクラス一体となって楽しんでいた様子で、ほっとしました。

終了後、私から二人に質問。

Q1:美味しかったもの
→チキンライス、メロンパン、カレー、やきそば、ソフトクリーム、ケーキ。

Q2:きれいだなと感じた場所
→川、海。

Q3:モンゴルと日本の高校生の違い
→日本の高校生はマスクをしている、制服がカワイイ、でも余り違いはない。

Q4:日本の家は
→寒かった、お風呂が良かった。

Q5:日本人の印象
→きさく、時間を守る、優しくて親切。

Q6:今回の旅行をきっかけに日本への留学志向が強まったか
→強くなった。日本の大学に留学したい。

「では、よほど勉強しないとね。卒業までにN3、N2にパスできるよう頑張りなさい」と励ましました。

Eから清書した日本大学へのお礼の手紙を見てほしいと。少し直してあげて「こんな時はどう言う?」と聞くと「ありがとうございました」と。「そうそう、それでよし」と言うとかわいらしい笑顔になりました。他の生徒も少しはインスパイアーされて勉強意欲が湧くといいのですが・・・。

午後、来週の授業準備のかたわら、12日に実施するJLPTのN5の模擬試験用の問題用紙を大量にコピー。余りにも数が多くて大変。

一方、14時半からの会議では17日に校内で行う『漢字ナーダム』の打ち合わせ。7~12年生全員を対象に、ゲーム感覚で漢字にまつわるクイズなどを行い、漢字が苦手な生徒たちに少しでも漢字の面白さをわかってもらい、親近感をもたせようという狙いだそうです。

17時半より1階体育館に全教員40人以上が集められ、校長夫人Hさんによる『ホームステイ旅行の報告会』大型のスクリーンに何百枚も写真を映し、一生懸命日本の自然や文化体験ができたことを話されました。特に日本人のシンプルな色使いとデザイン、狭い所を有効に使う生活の工夫の仕方に興味をもったようでした。

8日(木)
『チンギス・ハーンの誕生日』で祝日。そして今日から4連休。4日続けてのオフなんて学校に勤めて以来始めてで嬉しいです。

ゆっくり起きて、近くの繁華街の靴専門店で真冬用のブーツを買いました。靴下2~3枚重ねて履いても入るサイズで中が毛で、靴底が凹凸のある滑りにくいもの。80,000tg.(4,000円)しましたが、いい買い物ができました。妻もタイツを大量に購入しあまりの安さに驚いていました。

その後もスーパーやザハでショッピングして、1日のんびりと過ごしました。

9日(金)
この日は同僚の年配のS先生のお宅で「おでんパーティー」。妻はN先生と後で向かうとのことで、一人先に出て、昼前に学校に着くと既に同僚の若いS先生が。『漢字ナーダム』の打ち合わせ。今日もG教頭が一人来ていらして仕事の真っ最中。

「毎日、仕事で大変ですね」と話しかけ、そして娘さんのSの話。するとご自宅にピアノは無いが『ヨーチン』というモンゴルの伝統的な打楽器があると、写真や動画を見せていただきました。大きくて美しい装飾ななされたもので棒でたたくと、とても美しい音色が。そこへS先生が来たので12日のN5の模擬試験の件でまた少し確認と打ち合わせ。

12時半過ぎに3人で出発。途中、スーパーに寄ってスナックやアイスクリーム、ビール、ワインなどを買い込みS先生宅へ。歩いて10分足らずの所にあるアパートの10階。照明や調度品など想像以上にモダンでセンスの良いお部屋。

何よりキッチンが立派で、ベッドルームも2つ。このお宅は、両S先生が当地に赴任してから1年以上もずっとお2人で暮らしていたとのことで、今年の春に若いS先生が出て、一人で別のアパートに移り住んでからは年配のS先生が優雅に一人暮らし。

『ベンボー』という雌猫を英語科のT先生より譲り受けて仲良く2人暮らし(?)をしながら彼の大好きな映画をテレビの映画専門チャンネルで鑑賞しているとかで、立派なスピーカーもありました。道に迷ったB先生がようやく到着したところで、いよいよ、おでん登場!

玉子、にんじん、大根、しらたき、こんにゃく、なると(市内のザハで売っているとのこと)というシンプルなものでしたが、モンゴルでおでんが食べられるなんて奇跡みたい。妻が準備して持参した茶飯のおにぎりも食べてお腹いっぱい。

B先生は東京の日本語学校で学んでいた頃、一年半も池袋の『LAWSON』でアルバイトをしていたので「おでん」が懐かしいと。また彼女らは異口同音に「モンゴル人の男性は家事を全然してくれないと」と不平を漏らしたりもしていました(笑)。

アイスクリームも平らげて大満足。16時半におひらき。とても楽しくリラックスできました。

10日(土)
今日は、市中心部の『モンゴル・日本センター』でスピーチ・コンテストが行われるとのこと。

妻が以前知り合った、モンゴル在住17年の女性で始め日本語教師として働き、後にジャーナリストとしてフリーペーパーなどを編集・発行されモンゴルと日本の文化交流にも尽力なさっているKさんにもお会いしようと、昼前に出発。

そして約束の12時半前にKさんにお会いしました。私はお会いするのは初めてでしたが、とてもテキパキとして若々しくて活発な方。

自己紹介をし我々の学校の話、生徒の話をすると、彼女曰く「今、モンゴルでは日本語ブームで日本語学習者も増加しているが、大学での学習者が減っていて、むしろ塾に通う生徒が増えていると。

また、日本への留学を希望する学生でも、英語と日本語の両方ができる者が少ないのが課題である」などと。今後も情報交換などしておつきあいしていきましょう、ということになりました。

そして13時より『モンゴル日本人教師会設立20周年、第24回学校対抗日本語スピーチコンテスト』の幕開け。モンゴル日本人会の代表や在モンゴル日本大使館の人や国際交流基金のスタッフなどが審査員となって、高校生部門10人の代表者と大学生部門8人によるコンテストがスタート。

高校生の部のテーマは『わたしと日本語との出会い』。

わが校からの出場者はホームステイのことなどがあり、今回はいませんでしたが、他高の生徒が次々と出場し各々5分間以内のスピーチをしました。会場は和やかな雰囲気でありましたが、驚いたことは発音や発話の流暢さに欠けていたこと。質問にもあまり満足に答えられません。

初参加で緊張していたり、また我々は大学生のスピーチを見られなかったので一概には言えませんが、わが校の12年生のDの方がずっとよくしゃべれる!11年生以下の生徒でも、彼らよりは余程できるのでは!?と実感しました。

やはりわが校の生徒に欠けているのは積極性と意欲だなあ、と改めて感じ、来年こそは、スピーチコンテストにどんどん生徒を参加させてみようと思いました。

来週からは、いよいよ授業が本格化。イベントも盛りだくさんで大変ですが、何とか生徒たちの学習意欲を高めるようにしたいと考えています。

vol.28「JLPT試験に向けて生徒たちを叱咤激励の日々!【前半】」へつづく

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