
日本語教員 国家資格化
日本語教員 国家資格
「登録日本語教員」とは
日本語教員は、日本語を学習する外国人に対して、日本語や日本文化等を専門技術を持って教える仕事です。
これまで日本語教員は民間資格でしたが、2024年4月から国家資格「登録日本語教員」となりました。少子高齢化の中で外国人材が増加していく日本において、日本語教員は大きくニーズが高まると考えられています。
第1回目の日本語教員試験は、2024年11月17日に実施されました。第2回目の試験は2025年秋ごろが予定されています。

民間資格から国家資格となった背景
2019年6月に「日本語教育の推進に関する法律(日本語教育推進法)」が成立しました。国内における外国人材の増加と今後のさらなる受け入れ体制整備の必要性により、「日本語教育を実施する機関の質の維持向上」、及び「日本語教育を担う人材の質と量の確保」として、日本語教育における制度の整備が始まりました。その後、2023年5月「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(日本語教育機関認定法)」が成立。教育内容や施設における一定の要件を満たしている日本語教育機関に対して、文部科学省が管轄官庁となって認定を与える制度です。また、そこで働く日本語教員は、「登録日本語教員」という国家資格を持った日本語教員であることが定められています。

民間資格(日本語教員)と
国家資格
(登録日本語教員)で
何が変わるのか
日本語教員資格の取得をするには3つの方法があります。
①大学や大学院における日本語教育分野の主専攻あるいは副専攻を修了。
②文化庁届出日本語教員養成講座420時間コース修了(+学士)。
③日本語教育能力検定試験合格。
これまでは3つある取得方法のうち、いずれか1つを満たすことで日本語教員資格を取得することができていました。資格取得ルートとしてメインとなっていたのは、日本語教員としての就職に向けて学ぶことができる、文化庁届出日本語教員養成講座420時間コース修了(+学士)であり、教育能力検定試験の合格のみで日本語教員として活躍されている方は限られましたのが現状でした。
しかし、2024年から始まった新たな制度においては、これまでのように養成講座の修了だけ、もしくは筆記試験の合格だけ、といった方法では国家資格の取得要件を満たすことができず、教育実習の修了と筆記試験合格との両方が必須となります。

国家資格(登録日本語教員)の取得方法
国家資格(登録日本語教員)の取得ルートは2つです。1つは養成機関ルートであり、もう一つは試験ルートです。
TCJでは、両方のルートに対応した講座をご用意しています。

筆記試験が不安な方、就職を見据えてしっかりとスキルを身に付けたい方に選ばれている資格取得ルートです。養成機関ルートにおいても、国家資格を取得するためには応用試験に合格することが必須となっています。TCJでは、420時間コース受講生には、国家試験対策の通信講座である「日本語教員試験 短期合格パック」を無料で付帯しています。
420時間コースにはeラーニング(動画視聴)と通学(スクーリング)があります。詳細は、各コースのページにてご確認ください。

短期での資格取得にチャレンジしたい方、資格取得に向けたコストを抑えたい方、また毎日のスクーリングが難しい方に選ばれている資格取得ルートです。TCJは試験ルートを目指す方に向けた「日本語教員試験 短期合格パック」をご用意しています。
国家試験について
1日で行われる試験です。試験は合計220点満点で、基礎試験と応用試験の2つに分かれています。
基礎試験は、文章を読んで選択式で解答する問題となっており、120分で100問、合計100点満点の試験となります。
※養成機関ルートの方は免除。
応用試験は、2部構成です。音声を聞きながら解く問題と、文章を読んで選択式で回答する問題です。音声を聞きながら解く問題は、45分で50問、選択式で合計100点分。文章を読んで解答する問題は、120分で60問、合計120点分です。
※上記内容は登録日本語教員試験の試行試験、及び2024年11月17日に実施された第1回日本語教員試験の実施内容、及び公表されている内容がベースになっています。

養成機関ルートと試験ルート、
どんな方に適しているか
養成機関ルートにおいては、国家資格の基礎試験が免除になることから、筆記試験を不安を感じている方向けと言えます。また、実際に日本語教員として教壇に立つ場合には実践力が求められます。就職を見据えてスキルを身に付けたい方や、実際に学習者に教えることを目的として資格取得を目指す方は、養成講座ルートが適していると言えます。試験ルートは、いわゆるペーパー試験が得意な方に向いていると言えます。まずは自分のペースで学習を進めて国家試験に合格したい、まずは資格を取得したいという方に適していると言えます。

資格取得後の就職について
留学、就労、生活のそれぞれの分野で認定日本語教育機関で働くことが可能となります。今後、多くの法務省告示校(留学生受け入れが可能な日本語学校)は、認定校へ移行とすると想定されています。

法律施行後のスケジュールと、
移行措置について
2024年4月より新たな法律は施行されましたが、すぐに全ての制度が新たなものに切り替わるわけではありません。新たな国家試験は、第一回国家試験は2024年11月17日に実施されました(来年の試験日程については未公表ですが、2025年秋ごろの実施を想定)。
日本語教員の養成を実施する機関の文部科学省への申請開始が段階的に開始していくことが想定されています。それまでの期間については、現行の文化庁届出日本語教員養成講座420時間コースを受講(+学士)し、修了することで最長5年間設けられている移行措置(Cルート)にのることが可能です。その場合も、新たな制度における養成機関ルートと同様に、国家試験の応用試験のみを合格することで、登録日本語教員の資格を取得することが可能です。※移行措置と位置づけられているCルートでは、420時間コース修了後すぐに、法務省告示校での就業が可能です。
