

フリーランス日本語教師が、自分で生徒を獲得する方法!
概要
「日本語教師でフリーランスになると、どんな感じ?」「外国人の知り合いに頼れるわけでもない。どうやって顧客を獲得すればいい?」
今回は、フリーランスとしての日本語教師に関心がある方に向けた顧客獲得方法や価格相場についての内容となっています。フリーランスに関心があるという方は、ぜひイメージ作りの参考にしてみてください。
フリーランスって何?
「フリーランス」とは特定の会社や組織に所属しないで働く働き方のことです。
最近はエンジニアの方や美容師の方など、特に専門職でフリーランスを選ぶ人が増えているようですね。
日本語教師にもまた、学校に所属せずフリーランスとして働く選択肢があります。正社員であれば日本語学校や会社などに所属してその組織内で働きますが、フリーランスの場合は、一つの学校や会社に所属するのではなく、企業や個人の顧客と直接契約を結んで働きます。
単に非常勤の掛け持ちをするのであれば開業届は必要ありませんが、個人事業主になる場合は開業届が必要です。法人化してスクールを開きたいなどの場合も同様です。
フリーランスの場合、レッスンの収入だけをメインにすることもできますが、それ以外にも日本語教師の資格が活かせる周辺業界の仕事(例えば教材出版や外国人材・留学生サポート、翻訳など)を組み合わせて受注することもできます。また、別の業界の仕事や家業などと両立して働いている方もいます。
フリーランスの日本語教師が働ける場所とは?
フリーランスの日本語教師が働ける場所は様々です。個人事業主という形で、個人から直接案件を受注する方法が基本になりますが、最近ではオンラインのプラットフォームを利用する方も増えています。契約形態は業務委託契約、アルバイト契約などさまざまで、それらを掛け持ちしている人が多いようです。また、自分で法人化しスクールを立ち上げる方法もあります。
他に、インターナショナルスクールや外国人学校で外部の日本語講師を募集したり、外国籍社員を抱える一般企業が独自に外部講師にレッスンを委託したりすることもあります。これらの求人は数が少なく、日本語教師専門の求人サイトにもあまり載って来ませんが、一般の求人サイトなどでたまに募集が出ることがあります。
興味のある方は定期的にチェックしておくと良いでしょう。
生徒を自分で見つけるのは大変?
学校などに所属していれば学校が顧客獲得をするため、個人が営業活動を行うことはありません。しかしフリーランスで個人のレッスンを行いたい場合には、自ら顧客を開拓する必要があります。
生徒を獲得する方法については色々なものがありますが、ここでは代表的な方法について見てみましょう。
1)オンラインプラットフォームへの登録
代表的なのがオンラインのプラットフォームです。語学学習や習い事のオンラインレッスンを提供するサイトに登録して生徒を募集する方法です。オンライン英会話など、ご自身の外国語学習で利用したことがある方も多いと思います。
サイトに掲載するには運営会社の審査や面接が求められることがあります。
多くの人が閲覧するサイトは人の目に留まりやすく、自分のプロフィールや提供できる内容を書くだけなので、自分でサイトを作成したり直接外に出向いて営業活動をしたりするよりも手軽です。
何かトラブルがあった際にも、サイトを運営している会社のサポートスタッフが仲介に入ってくれるケースがあるため、個人契約と比べるとリスクヘッジの面で安心できます。
気をつけなければいけないのは、サイトによって閲覧者が多い国や地域などの属性が異なり、利用者の層が違うことです。自分が提供したいもの・提供できるものとニーズが合いそうかどうか事前に分析しておきましょう。
またオンラインの講師は資格が求められない場合もあり、専業にしている人から副業としてやっている人まで千差万別。サイトによっては世界中から数百人・数千人の日本語講師が登録していますから、大勢の中から選んでもらうために、ほかの登録者と差別化を図る必要があるでしょう。日本語だけでなく自身の経歴や強みを活かして、特定の業界に特化したビジネス日本語レッスンを行う、ユニークな授業内容を考案するなどして、自分のスタイルを確立していけると良いのではないでしょうか。
2)知り合いのつてを頼る・口コミで広めてもらう
知り合いに日本語学習をしたい人がいる、知り合いを紹介してくれそうなつてがあるという場合は身近なところから始めるのも手です。実績ができれば、口コミでさらに知り合いを紹介してもらえることもあるかもしれません。
3)人が集まる場所に出向いて直接広報する
様々な国籍の人が集まるイベントやお店などで知り合いを作り、そこから興味を持ってくれる人を探す方法です。ただし、こうした営業方法は個人的な勧誘が禁止されていない場所に限られます。
4)インターネットでの発信を通した集客
最近はSNSや動画サイトなどで語学学習に関するコンテンツを発信し、そこで視聴者、閲覧者を獲得して知名度を上げてから個人のレッスンにつなげるというビジネススタイルが普及しています。インターネットを利用した集客は誰でも無料ですぐに始められるため、特に個人での仕事の機会を増やしていきたい方には最適です。
自己ブランディングが上手にできれば多くの人の目に留まり、活動の幅が広がるかもしれません。
そうしたコンテンツなどは作らず単に個人事業として日本語講師を始める場合でも、何か集客の窓口・名刺代わりとなるような表向きのサイト・SNSアカウントを作っておくと便利です。
フリーランスの魅力!レッスン料は自分で決められる。
フリーランスの魅力のひとつは、提供する内容から価格設定まですべて自分で決められるということです。と同時に、個人でレッスンを始める際に最も悩むのもこの部分ではないかと思います。
オンラインプラットフォームを利用する場合の価格相場は、
・フリートークのみ
→30分500~1000円程度
・それ以外の文法や試験・就職対策、フリートークではない会話レッスンなど
→1時間1000円~3000円程度
です。
オンラインプラットフォームでは売上金からサイト運営会社に支払う仲介料が引かれるケースがあり、個人での契約よりも少し割安なケースが多いです。ただ、人気講師では1時間6000円以上で設定している方もいますし、単価を安く設定していても「4回セット」のようにパッケージレッスンとして売ることもできるため、ケースバイケースになるかと思います。
一方、個人契約の場合は1時間3000円以上に設定していることが多いようです。
講師のスキル・ターゲットにしたい学習者の層やレッスン内容によっても適正価格は変わってきますので、自分のやりたい形に近いレッスンをしている先生から話を聞く、色々なサイトで提供されているレッスンの値段を調べるなどして自分のレッスン価格を決めると良いでしょう。
・フリーランスの収入計画
すぐにレッスン収入だけで生計を立てられるほどの生徒数を獲得することは難しいかもしれませんが、続けていけば長期的な契約をしてくれる顧客が見つかり、安定して働いていくことは十分に可能です。
しかし一人だとリスクヘッジや継続的な顧客獲得に不安がある場合は、完全な個人事業ではなく複数の機関に所属して働きながら個人のレッスンも行う、あるいはフリーランスではないものの、非常勤や業務委託の掛け持ちをする形でフリーランスに近い働き方をすることができます。
どういった形を取るにしろ、一つの組織に所属せず働くスタイルを目指す場合は、正社員と比べ収入が変動しやすくなります。安定した収入が得られる部分と変動してもいい部分に分けて収入設計ができると安心です。
日本語教師の資格を持っていると、学校や企業での外国人のサポート業務、教材の作成や試験に関わる仕事など、授業以外にもできる仕事があります。そうした仕事の募集が出ることもあるので、それを活用して授業収入+それ以外の収入を組み合わせるのも一つの方法です。
まとめ
いかがでしたか?今回は、フリーランスの日本語教師が集客や価格設定について解説しました。色々な集客法を試して、自分に合ったやり方を見つけてみてくださいね。それでは今回はこの辺で!

日本語教育の基本! 「イ形容詞」と「ナ形容詞」はどう違う?
「富士山がキレクテ感動しました。」 日本語教師ならば、この発話のおかしな理由をすぐに説明してくれることでしょう。この記事では、日本語教育の基本中の基本ともいえる「イ形容詞」と「ナ形容詞」の違いについて説明します。

ピジン、クレオール、リンガ・フランカの違い
日本語教育能力検定試験に必ず出てくる最重要ワード「ピジン、クレオール、リンガフランカ」について説明します!