

日本語教師って在宅ワークできるの?オンラインレッスンを担当するには
概要
「これから日本語教師を始めようか迷っているけれど、実際にどんな働き方があるかわからない」「日本語教師の在宅ワークってどうやって始めたらいいの?」この記事では、日本語教師の在宅ワークの仕方や、自宅でもできるオンラインレッスンの概要と、気を付けるべきポイントを紹介します。
日本語教師の働き方
ステイホームにともなって一般的になった在宅ワーク。今や職場に行かなくても、遠方から仕事ができる環境を見つけることは以前より容易になりました。
日本語教師も、在宅ワークが可能です。中心になるのは、主にオンラインレッスンのお仕事。オンラインレッスンには安定した需要があり、自宅からレッスンを行っている教師は多いです。 これから日本語教師で在宅ワークを考えている場合は、オンラインレッスンの特徴を踏まえた準備が必要です。まずは対面レッスンとオンラインレッスンの基本的な違いを見てみましょう。 1)対面授業の特徴 対面授業とは文字通り直接講師と学習者が顔を合わせて行うレッスンで、学校に通う通学型、学習者の自宅や職場などに講師が出向く派遣型、カフェや公共の貸しスペースなどを利用して行う形もあります。 2)オンラインレッスンの特徴 一方オンラインレッスンは、学習者と講師がそれぞれ自宅や職場からZOOMやSkypeなどを使用して、インターネットを通して授業を行う形態です。どこからでも参加できるため、忙しい社会人や海外在住の方にも人気です。 |
対面授業とオンライン授業の違い
対面とオンラインでは、教え方にも違いがあります。
・空間そのものを有効活用できる対面授業 対面授業の特徴は何と言っても、講師と学習者が同じ空間を共有できることです。 教室のクラスレッスンなら、授業内容によって机の配置を変えたり、教室の中を移動しながらグループワークをしたりすることも可能。学習者も講師も物理的に近い距離で過ごすため、クラスの雰囲気が作りやすいです。 講師にとっては、教室全体が見渡せて学習者一人ひとりの反応がわかりやすく、学習者にとっても、講師の表情、動作や雰囲気、声などの非言語情報が伝わり、学習の助けになります。 また、教室にあるものをすべて使用できるのも対面レッスンのメリット。ホワイトボード、モニター、印刷物、実物を実際に見せて触ってもらうなど、色々な教材・教具を組み合わせて使うことができます。
・オンラインレッスンでは、IT機器やオンラインツールの使い方がカギ 一方オンラインレッスンでは、基本的にはすべて画面上で完結しなければなりません。視点が固定されるため、「わかりやすく、飽きにくい」見せ方が重要になります。 教室のホワイドボードがない分、事前に作成したパワーポイントや授業資料を見せたり、オンラインのホワイトボードや教材のPDFを画面共有し、そこ直接書き込んだりするなどの方法をとります。 対面授業と比べ、使える教材に制限はありますが、オンラインツールを有効に使えば、対面ではできないような見せ方をすることも可能です。実際に筆者もオンラインレッスンでは、授業中に書き込んだものをPDFにして後から学習者に配布したりしていますが、これはオンラインならではの便利さだと思います。 ペアワーク・グループワークなどの活動では、ZOOMのブレイクアウトルーム機能などを利用すると便利です。対面の教室活動のように全グループを一度に見渡すことはできませんが、講師が各グループの部屋に順番に入ってフィードバックを行うなどの方法で対応できます。
・オンラインレッスンで気を付けるべきこと オンラインレッスンの質は、インターネット環境に大きく依存します。どんなに授業の質が良くても、インターネットの環境が悪ければ授業が止まってしまい、最悪の場合そもそも実施すらできないことも。サービスとしての質を担保するためにも、インターネット機器・環境の整備は必須です。 オンラインレッスンを始める前に、 ・使用するWifiやパソコンが、長時間のビデオ、音声、画面共有に耐えられるだけの速度・容量があるか? ・画質・音質に問題がないか ・室内外の音、背景に映るものなど周辺環境はどうか などの点をチェックしておきましょう。 また、PC用の外付けカメラやマイクを購入している講師も多いようです。その他、タッチペン対応のパソコンなどがあると、授業中直接画面上に書き込めて便利です。 オンラインだからと言って、対面よりも質が落ちるかと言うと必ずしもそうではありません。ネット環境だからこそ気にしなければいけないこともありますが、反対にオンラインだからこそできることもあります。授業で使えるオンラインツールが色々と出ていますので、調べて活用してみてください。 |
プライベートと両立がしやすいオンラインレッスンのメリット
日本語教師にとって、オンラインレッスンを担当する最大のメリットは、やはり時間や場所の融通が利きやすいことでしょう。
インターネットや室内の環境が整えばどこからでも働けるため、遠方に住んでいる場合や、移動の時間が取れない場合でも始めることができます。プライベートレッスンなどでは一回1~2時間が主流のため、細切れの時間で働きたい方にもおすすめです。 また、複数の就業先でレッスンを掛け持ちする場合でも、オンラインであれば通勤が不要なため、移動時間を取られることなくスケジュールを組むことができます。
・オンラインレッスンの講師はどこで募集している? 1)オンライン上のプラットフォームを利用する オンラインの習い事サイトなどに登録し、顧客を見つける方法です。サイト運営会社などの審査・面接を受けて講師として登録し、個人事業主として働く形になることが多いです。会社から雇用されるわけではないため、価格設定を自分でできる良さがあります。ただし講師の資格が問われない場合もあり、講師・利用者の層にも幅があるのが実情のようです。
2)日本語学校が運営するオンライン日本語コースの講師になる 日本語教師の資格を取得していれば、日本語学校などの教育機関に就職し、その学校や機関が提供するオンラインレッスンを担当するという選択肢が取れます。こちらは雇用関係あるいは業務委託という形で、何かあった際に周りの講師と相談・協力できるというメリットがあります。1に比べ就職のハードルはやや上がりますが、講師にとっても学習者にとっても質が担保された環境であると言えるでしょう。
3)一般企業の日本語教師募集 日本語学校以外でも、自社のサービスの一環として日本語レッスンを提供している人材系の企業や、社内教育のために外部の日本語教師を雇っている企業があります。募集は少ないですが、そうした企業の講師募集を探して個別に応募・契約する方法もあります。こちらは主に社会人対象になります。 |
海外の学習者に出会うこともできる
オンラインレッスンのもう一つのメリットとして、「顧客の幅が広がる」という点があります。対面レッスンでは、レッスンの場所に通える圏内に住んでいる人が主な対象ですが、オンラインレッスンなら、世界中のどこからでも受講が可能。他県や海外在住の人にもレッスンを提供できるため、顧客の幅が広がります。
また、海外には、日本国内とは異なる需要があります。例えば日本にこれから留学・移住・帰国予定の人や、海外在住の日本人の家族や子ども、趣味で外国語として日本語を学んでいる人など、国内では出会えない学習者とも出会うことができるでしょう。 海外と日本の遠距離でレッスンを行う場合には、時差を考慮したスケジュール管理が大切です。サマータイムがある国などは季節によっても時差が変わるため、講師と学習者の居住地の日にちや時間をしっかりと確認をするようにしましょう。 |
まとめ
これまでは対面でのレッスンが主流でしたが、現在はオンラインでの在宅ワークもできるようになりました。対面のレッスン・オンラインのレッスンを組み合わせて働いている日本語教師も多くいます。この記事が、みなさんの生活スタイルに合わせた働き方を考える際の参考になればと思います。

第1回・日本語教員試験を受験、第2回目に向けて出来ること
日本語教員試験について、実際に受験した感想をお伝えします。今回、受験したのは応用試験のみでしたので、こちらを中心に話題を進めていくことになります。応用試験は、聴解試験と読解試験の2つから成り立っており、主に日本語教育能力検定試験の試験ⅡとⅢがベースになっています。授業現場で遭遇するであろう課題の解決や事態の改善等について、理論化された知識と紐づけて出題されているというのがおおよその見方です。教育能力検定試験時代からの難所であった、聴解の問題をどのように突破するかが鍵となりそうです。