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外国人の子供への日本語教育とボランティア

縁があって、日本語教師の仕事をしながら並行して日本語ボランティアの会に参加し、実際に日本語を教える機会がありました。そのときに、来日している外国人夫婦の子供に対するボランティアの必要性をひしひしと感じました。小学生のお子さんの場合はなおさらです。

ここでは、実際に小学生の子供にボランティアで日本語を教える中で気が付いたこと、考えたことを紹介します。

目次

子供だからこその特別な事情

私が関わったお子さんは小学校高学年の女の子で、両親ともに外国人です。
父親は日本の大学院で研究をするため先に来日し、日本語には少し慣れています。
来日前に日本語を習う機会もあったようです。

このような研究者としての来日の形はいろいろありますが、その多くは本人だけ家族より早めに来日し、仕事にも生活にも慣れた頃に家族が来日するというパターンが多いようです。

そして数年を一緒に過ごした後、家族だけ先に帰国し本人はしばらく残って研究を続けます。その後、本人も帰ります。もちろん家族ともども、もっと長い滞在になることもあります。

しかしながら、一般的には数年経てば帰る予定の人たちです。
それでも小学生や中学生の子供にとっては、身も心も大きく成長する大事な時です。

日本で学校生活を楽しみながら勉強も進められるようにするに必要なこと。
それは、日本語という道具をいち早く身につけることが「急務な状況にある」という認識を持ちました。

子供への日本語教育の実態

このお子さんと出会ったのは、彼女が来日してから数か月経ったときでした。
ひらがなはほぼ大丈夫、カタカナは70%程度、漢字は理解できるものの自国で使っている漢字とは形が違いすぎ、戸惑いは大きいようでした。性格的にはおとなしく、ひかえめ、静かに話すお子さんでした。自国にいたときからそういった性格だったようです。

平日は、日本人が通う小学校に通っています。県庁所在地の市にある学校ですが、特に外国人が多いという地域ではありません。まだ日本語がつたないお母さんの話では、学校ではなかなか友達ができず、ずっと先生にくっついているとのことでした。

放課後に、毎日ではありませんが日本語教育の時間を設けているそうです。
しかしそれだけでは不十分なので、お母さんの希望もあり、日本語ボランティアにも彼女を連れてくることにしたようです。

「仲良く学校の友達と遊べるくらいまでは日本語を身につけられれば…」と、お母さんは話していました。きっと学校の先生からは、自分から皆に溶け込んでいくようにアドバイスされることもあるでしょう。それは性格的に難しい場合もあります。また、来日したときの年齢にもよります。小学校の高学年というのは一番難しい時期かもしれません。中学生以降であれば、来日しないという選択肢もあったかもしれません。

サポートをするために、ボランティアは必要!

ボランティアを通して私が感じた問題点を紹介します。

教材や生活のためのWEBサイトはある程度存在していますから、あとは“人為的なもの”の不足が問題です。
もちろんその背景には、予算の問題などもあるのでしょう。

学校に通訳が必要

子供にとって生活時間の大半を占める学校生活がうまくいくようにするためには、その場で使われる日本語を知ることが一番です。かつ勉強に遅れないようにとも思えば、学校現場でそばにいられる人が必要です。

言葉の点では不自由を感じる。
集団に馴染んでいけない。

言葉に語弊があるかもしれませんが、学校内に障碍をもった児童のための特別学級があるように、外国人の児童も特別な対応が必要です。

障碍のある子供にはその考えや行動に詳しい専門の先生がつくように、言葉が不十分であるという問題を抱えた子供には通訳が必要です。子供はそれだけケアすべき存在なのだと、私は考えます。小さな子供の教育に心を砕くのもまた日本らしさだとも考えます。

通訳 “だけ” では不十分

言葉の不自由さを解決するだけでよいのでしょうか。

教育的視点からご両親に伝え、どうすべきかの情報を与え、ときには手伝い、学校でのお子さんの様子を共有する立場にある人が絶対に必要です。

適任者は、学校側の集団を大事にする考えを受け容れ、且つ、建設的意見を言うことができる人。
日本の学校教育について理解している人がよいでしょう。

国ごとの考え方の違いを多少なりとも知っていて、言葉を訳す以上に、いわば“コーディネーター”のような動きができる人であれば尚よしです。

こういった立場で、いくつかの学校をかけもちで回れる人を確保するだけでも大変です。
英語以外の言語ができる人で、このような仕事をしてくれる人が必要です。

まとめ

日本語ボランティアは、日本語を教えるためだけのボランティアです。
それだけで十分素晴らしいことであり、それ以上を求めることは、ボランティアをする側にとって酷なことかもしれません。

外国から来た子供たちに対し、日本語を教える短い時間以上に大切なこと。
それは、日本で過ごす日常生活の時間を充実させることであり、私たちはそこに力を注ぐべきです。
放課後のわずかなふれあいだけのために、大事な成長の時期を過ごさせてはいけません。

一日の長い時間を占める学校を、より有意義なものとするため悪平等は要りません。
コミュニケーションの力が足りない子供には特別なサポートをすべきだと、私は感じています。

外国人の子供には、学校でのサポーターが必要です。
その役を担えるのは、ボランティアなのではないでしょうか。

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この記事の筆者
東京中央日本語学院(TCJ)
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