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日本語教師養成講座ではどんなことを勉強するの?

目次

概要

今回は登録日本語教員になるために必要な「日本語教師養成講座」についてです。日本語教育の勉強をしてみたいと思っている方、養成講座の内容について知りたいという方に向けて、一般的な日本語教師養成講座の内容や日本語教師になるためにどんな知識が必要なのかについて解説します。

日本語教師養成講座で学ぶメリット

これまで民間の資格だった日本語教師の仕事は2024年から国家資格化され、「登録日本語教員」として生まれ変わりました。資格の創設に伴い、日本語教師の養成課程も新たな基準が設けられることとなりました。従来は「日本語教育能力検定試験」や「420時間以上の日本語教師養成講座の修了」などが要件でしたが、新制度では国家試験である「日本語教員試験」の合格が必須となり、そのための方法として大きく「試験ルート」と「養成機関ルート」が設けられました。

 

試験ルート養成講座のオンラインコースや市販教材などを使って独学で試験合格を目指すルートです。(試験の合格と、別途「登録実践研修機関」での実践研修(模擬授業や教育実習)が必要です。)

養成機関ルート国の認定を受けた機関の養成講座を受講し修了することで資格取得を目指すルートです。こちらは、正規の認定を受けた講座を修了することで日本語教員試験の基礎試験が免除となり、国家試験は応用試験の受験のみとなります。(こちらも基礎試験、応用試験の合格と合わせて「登録実践研修機関」での実践研修が必要です。)

養成機関ルートを取るメリットはなんといっても直接現場を経験した講師から手厚いサポートが受けられること、試験や現場の動向が肌感覚としてわかること、また通学であれば同じように資格取得を目指す仲間と情報交換しながら頑張れるといった点です。

後に説明する「登録日本語教員養成講座」と「登録実践研修機関」両方の認定を受けている機関であれば、理論から実践まで一つの場所で完結して学ぶことができるのも魅力です。

必須の50項目とは

新制度では、日本語教師が身に着けていることが望ましい知識・技能・態度を3つの領域・5区分に分けた「必須の50項目」として整理され、これらを網羅していると認められた養成講座だけが国の認定・登録を受けることができるようになりました

日本語教員試験ではこの「必須の50項目」に則った問題が出題されますので、試験ルートでの合格を目指す場合も、同様に学習することになります。

必須の50項目は以下の通りです。

※図は文科省資料を参考に作成

引用元:文部科学省 「登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関制度の概要」https://www.mext.go.jp/content/20250530-mxt_nihongo01-000034812.pdf

 

「3つの領域」(1)社会・文化に関わる領域、(2)教育に関わる領域、(3)言語に関わる領域です。

(1)「社会・文化に関わる領域」では、言語が人間や社会においてどのような役割を果たすのか、文化やコミュニケーション、歴史、政治とのかかわりなどの観点から言語をとらえます。

(2)「教育に関わる領域」では、言語教育理論や言語学習理論、教育心理学などの観点から言語学習と教育についての様々な理論を学びます。教育資源・教材の扱い方や評価方法などの実務的な部分もこの中に含まれます。

3)「言語に関わる領域」ではいわゆる言語学など、言語そのものに焦点を当てます。実際に教えることになる日本語の文字表記、語彙・文法体系、音声体系などについて学習する分野です。

 

「5つの分野」はさらにそれらを細かく分類し、以下のような内容になっています。

1)社会・文化・地域 

世界情勢と日本の立ち位置、日本語教育に関する制度や施策などの社会的な文脈を学ぶ

2)言語と社会

言語(表情やジェスチャーなどの非言語も含む)が人間のコミュニケーションにおいてどのような役割を果たしているかなど言語の社会的な側面を学ぶ

3)言語と心理

言語学習の動機や、学習・適応過程で起こる心理的な変化などの側面を学ぶ

4)言語と教育

実際の言語教育における手法、言語習得理論や教材・著作権に関する知識、評価の方法などを学ぶ

5)言語

一般言語学、音声学に加え、日本語の語彙・文法・音声体系や文字表記などを扱う

 

必須の50項目についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、合わせてお読みください。

→リンク:「必須の50項目とは?」

日本語教師養成講座の学校選びのポイント

養成講座を選ぶ際のポイントとして、正規の講座として国の認定を受けているかが重要になります。検討している講座がどの認定に該当するか調べてみましょう。

「文化庁届出受理講座」は新制度が始まる前(2024年以前)に文化庁の認可を受けた、従来の「420時間養成講座」です。この講座は新制度の登録日本語教員の資格を満たすことはできませんので、登録日本語教員になるためには「経過措置」を利用して資格の移行をする必要があります。経過措置期間中であれば一定の資格を満たすことで国家試験「日本語教員試験」の一部またはすべてが免除になります。

「登録日本語教員養成講座」は日本語教師の国家資格化にともなって作られた新制度のもとで文部科学大臣の登録を受けた、理論(座学)を受けられる講座です。修了すると日本語教員試験の「基礎試験」が免除されます。(なお、もう一つの筆記試験である「応用試験」の受験は必須であり、免除にはなりません。)

 

「登録実践研修機関」は同じく新制度のもとで、「実践研修(教育実習)」を提供する機関として文部科学省の登録を受けた施設や学校を指します。ここでは授業見学や模擬授業、教育実習などの実践的な研修を行います。登録日本語教員の資格取得には、「基礎試験」「応用試験」に加え、この「実践研修の修了」が必須です。試験ルート(独学)での合格を目指す場合でも、「実践研修」は実地での受講が必須です。

「登録日本語教員養成講座」と「登録実践研修機関」両方の指定・認定を受けた機関であればまとめて受講が可能ですので、資格取得までの流れがスムーズになります。

「文化庁届出受理講座」を受講中、あるいはこれから受講を検討するという場合は、受講時期や講座の該当ルートによって資格移行の条件が異なります。必ず確認をするようにしてください。

 

TCJの養成講座は「登録日本語教員養成機関」および「登録実践研修機関」両方の認定を受けています。座学と実践どちらも受けたい方はもちろん、試験ルートで日本語教員試験に合格し「実践研修」を受ける方を対象とした「登録実践研修コース」も提供しています。他校で登録日本語教員養成機関の課程を修了し応用試験に合格された方にもご受講いただくことができます。

詳しくはこちら

良い日本語教員養成講座とは

良い日本語教員養成講座を選ぶためにはどのような点をチェックすればよいでしょうか。

養成講座を選ぶ際のポイント①国家資格の取得

新制度での「登録日本語教員」の資格をしっかり取得できることがまずは重要です。新制度になってからまだ数年しか経っていないため、多くの教育機関では今新制度に則ったカリキュラムの変革や新しい体制づくりが進められています。国家資格の合格実績などもまだ十分にデータが集まっていないこともあるかもしれませんが、旧制度での合格実績も含め、どんな講座の内容か、どんな試験対策が行われるのかなどを確認しましょう。

養成講座を選ぶ際のポイント②就職に強いか

また、試験には合格できても「その後ちゃんと就職できるだろうか」と心配に思われる方は多いです。講座修了後の日本語教師としてのキャリアスタートを考える上では、就職のサポートや情報提供があるか、就職に直結する実践指導が手厚いかどうかなどは重要なポイントです。修了生の進路実績などを調べ、自分の考えている進路に近いかどうか、どんな道があるかを見ておきましょう。日本語学校に併設されている講座の場合は、資格を取得した修了生を積極的に自分の学校で採用しているケースも多いです。

養成講座を選ぶ際のポイント③学習環境

資格や就職実績以外でも、カリキュラムや教材、講師のスタイルが合いそうかなど、内容についても確認しておきましょう。授業自体がわかりやすいかはもちろんのこと、現場でよく起きる悩みや現場への橋渡しもしっかりできるようになっているか講座を選びましょう。授業見学などをさせてもらえる学校もありますので、授業の雰囲気を確認しておくと良いのではないかと思います。

特に座学以上にスクールごとの差が出やすいのが「実践研修」(教育実習)です。学校の方針や講師によっても、一人当たりの回数、時間、内容、フィードバック、教材や教え方はどのようなものが奨励されるのか(紙媒体、板書、ITツールを活用した授業など)にも違いがあります。

実習と聞くと少し身構えてしまうかもしれませんが、現場に出る前の準備として多少厳しくともしっかり指導が受けられる環境のほうが長い目で見たときに役立つのではないか、というのが筆者の考えです。現場に出ると手厚い指導が受けられる機会は減っていきます。

最近はこれまでと異なる授業形態にシフトする動きもあり、「文法を中心とした授業」「会話の授業」「タスクベース(現実の社会生活を想定した活動などを通して学習するスタイル)」「資格試験の授業」「ビジネス・生活者向け」など現場で担当する授業の幅が広くなっています。養成講座の理論や実習はそのための基礎になるものですから、ぜひ充実したものを選ばれることをお勧めします。

また、自身の生活や仕事と両立するためのポイントとして、

・教育訓練給付金等の対象か

・休んだ場合の振替制度や受講期限

・質問体制

などについても事前に調べておくと計画が立てやすいかと思います。

国家資格のため「○○のほうが簡単に資格が取れる」というものではなく、どの機関・講座でも一定の出席率や成績が必要になります。予期せぬ仕事や私用で休んでしまい予定していた時期に資格取得ができなかった・・・ということがないよう、事前に余裕を持った計画を立てましょう。

まとめ

日本語教師が国家資格となり、今後ますます資格を持っている教師の需要は増えていくでしょう。養成講座選びはその後の日本語教師デビューのためにとても重要です。ぜひ自分に合ったものをじっくり考えて選んでみてください。

TCJの日本語教師養成講座は登録日本語教員養成機関・登録実践研修機関両方の認定を受けており、日本語学校も併設されているため現場を体験できる機会も豊富に用意されています。修了生からは、「仕事しながらでも通えた!」「終了後も連絡を取り合う仲間ができた!」という声も寄せられています。国家試験対策の通信講座もセットでご用意していますので、養成講座をご検討の際はぜひTCJの学校見学会・相談会にお越しください!

参考

文部科学省 「登録実践研修機関・登録日本語教員養成機関制度の概要」

https://www.mext.go.jp/content/20250530-mxt_nihongo01-000034812.pdf

 

日本語教員試験対策が必要な方へ

TCJ日本語教師養成講座では、日本語教員試験の学習に特化したeラーニング教材を開発しました。

令和7年度日本語教員試験での合格率(当社調べ)

・試験ルートの合格率59.7% (全国平均35.9%)

・養成機関ルートの合格率75%(全国平均 69.2%)

 

試験ルートの合格率が全国平均より約20ポイント増となっています。

 

【こんな方におススメ】

・試験ルートで登録・日本語教員の資格取得を検討している方

・現在日本語教師として活躍中で経過措置に国家資格への移行が必要な方

・養成講座受講中で国家試験対策に不安がある方

 

詳しくは公式サイトでご確認ください。↓のリンクをクリック。

この記事の筆者
TCJ・コラム執筆者写真
TCJ日本語講座 非常勤講師
大野 綾香
大学で日本語教育を学んだのち、日本語教育能力試験に合格。日本語学校で留学生の大学受験指導・プライベートレッスン、教材出版等を経験後、2023年よりTCJにて留学コース・ビジネスパーソンのプライベートレッスンを担当。好きな分野は地域日本語教育、音声学。
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