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学習者のレディネス分析と日本文化浸透度

「日本人男性はみんながまげを結っている」などという外国人はさすがにもういないですが、学生一人ひとりが日本に対してどの程度の知識やどういった印象を持っているのかを知っておくのは、広い意味でのレディネス分析ともいえます。

国際交流基金のサイトから日本文化の発信状況について知るとともに、レディネス分析との関係についてご説明します。

目次

日本のテレビ番組の海外進出

日本のテレビ番組は世界中で放映されていますが、どんな番組が選ばれているのでしょうか。またどの国でよく放映されているのでしょうか。
サイトで紹介されている2016年、2017年に放映された番組の数を見てみましょう。

アジア・太平洋州では以下の国に数多く放映されています。「男はつらいよ」などのシリーズを1と数えているものもあるので正確な番組数ではありませんが、モンゴルが圧倒的に多いですね。

  • モンゴル 38番組
  • パプアニューギニア 24番組
  • サモア 19番組
  • マーシャル 17番組
  • ネパール 13番組
  • パラオ 13番組
  • カンボジア 12番組

他にも、スリランカ、バングラデシュ、フィジーなどでも放映されています。
番組内容はドキュメンタリー、ドラマ、アニメなど様々ありますが、多いのはドキュメンタリーで、モノづくり産業、食、津波や地震などについて選ばれています。
より深く日本を知ろうという思いが感じられる選択です。アジア・太平洋州の国々は地理的な近さから関係も深いので興味も高く、実際に役立つからでしょう。

中東・アフリカでも、様々な国で放映されていますが、その番組数はナミビアの17番組、ガーナの10番組が多く、それ以外の国では5番組以下のところが多いです。

東欧での多い国は、ブルガリアの17番組、ルーマニアの12番組です。それ以外には10番組に届かない国がほとんどです。少しおもしろいのは、例えばトルクメニスタンでの放映番組はドキュメンタリーがひとつもなくアニメとドラマだけということです。ハイキュー‼、ハクション大魔王、マルモのおきてが放映されています。日本でも他の国からの番組を放映する場合、その多くはエンターテイメントとしてだけのことが多いので、同じ傾向ですね。

中南米では、メキシコでの放映数の多さに驚きます。軽く100を超えています。これは日系人が多いことなどの特別な背景があるのでしょう。ジャマイカも19番組で多いのですが、メキシコの100以上の数字の前にかすんでしまいました。

日本映画祭や美術・工芸展

映画祭や芸術に関する展覧会も精力的に、毎月いろいろな国で行われています。
自由作文で日本の画家について熱く語った学生がいましたが、こういった展覧会をきっかけに日本に興味を持つということもあります。

2018年についていえば、フランス・パリで行われる「ジャポニズム2018」が2018年7月から2019年2月という大変長い期間で行われます。
「展覧会」「舞台公演」「映像」「生活文化、他」の4つのカテゴリーで50を超える様々な芸術文化が紹介されます。パリにいれば休むことなく日本が紹介され続ける日程で、日本とフランスの芸術面での関係の深さを知りました。

日本文化の発信程度を知っておく意味

日本文化がどういった形で発信され、浸透しているかを国ごとにある程度掴んでおくことは、実際に必要です。日本語業界で働く者としての基礎知識ともいえます。

レディネス分析基礎知識になる

レディネス分析は、日本語学習に入る前の学生一人ひとりの準備状態について行う分析で、種類は3つあります。
「目標言語のレディネス」は日本語能力について、「外国語習得のレディネス」は外国語学習にあたっての学習者の適性について、「学習条件のレディネス」は経済的・時間的条件についてです。この中では、国によっての日本文化浸透度を知ることは、外国語学習にあたっての適性を知るための材料になります。

例えばパリに住んでいれば、日本文化発信のためのイベント広告は簡単に目にするでしょうから、イベントがあったことを知っているだけでは特別な興味は感じられませんが、あまり発信されていない国で日本文化のことをよく知っているのであれば、それは特別な興味があると分析できます。
学生が発する「興味があります」「知っています」のひとことの重さを正しく図るためには、それぞれの国の日本文化の発信程度を知る必要があります。

授業に役立つ

「授業の導入で出したキャラクター、学生ひとりも知らなくて失敗した~」という声を初級の先生たちから聞いたことがあります。また会話授業のときのテーマを決めるとき、その深め方の程度を知るためにも、日本文化がそれぞれの国でどの程度知られているかを掴んでおくことは必要です。

もちろん学生たちから直接聞くのが一番よいともいえますが、日本語が不十分な彼らから得る情報は誤解することがあります。自信や津波についてとても詳しい学生がいて聞いてみると「TVで見た」との答えが返ってきて、ニュースで見た程度かなと想像して終わりましたが、上記のように特集番組として放映されていたことを知っていれば、もっと深めることもできました。

まとめ

国際交流基金のサイトから日本文化の発信状況を紹介し、それらを知ることの意味についてお伝えしましたが、いかがでしたか。
日本文化についての個人的興味のあるなしに関わらず、日本文化発信については積極的に行われることはこの業界の発展には大事なことでしょう。日本文化が広まることで日本に興味をもち、日本語を習得したくなる人が増えるのですから。業界の発展予測をする上でも最新の情報をチェックしてみることをおすすめします。

この記事の筆者
東京中央日本語学院(TCJ)
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