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日本語学習者が受験する日本語試験って、どんな試験があるの? 日本留学試験(EJU)編

目次

日本語能力を示す日本語試験の種類

【代表的な日本語試験】

日本語能力試験 JLPT …日本語能力を測定し認定する試験

日本留学試験 EJU …日本の大学等で必要とする日本語力及び基礎学力の評価をする試験

 

上記にあげた日本語試験の受験者(日本語学習者)は基本的に、日本語を母語としない人を対象としています。自国育ちの外国人はもちろん、海外で生まれ育ち、子どもの頃にほとんど日本語を使うことがなかった日本人も対象となります。

前回は日本語能力試験(JLPT)について取り上げましたが、今回は、日本の大学や大学院に進学する際に必要な日本留学試験(EJU)について詳しく紹介していきます。

 

日本語教師養成チャンネルでは、じんちゃん先生がJLPTとEJUについて解説しています。

日本留学試験(EJU)の概要

概要と目的

日本留学試験は、日本での大学進学をめざす非日本語母語話者のための能力試験で、日本語教育業界では「日留試」と略して呼ばれることも多く、日本語試験で最も普及している日本語能力試験(JLPT)に次ぐ知名度があります。

日本留学試験は外国人が日本の大学に入学するためにほぼ必須で、アカデミックな日本語能力と基礎学力を測ることを目的としています。

試験は、日本とアジア主要国で年2回実施されており、実施主体は独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)で、2002年から行われています。日本留学試験では、受験者の日本語読解力、聞き取り能力、文法知識、漢字や語彙の理解度を測定し、日本の大学や専門学校での学習に必要な言語能力があるかを評価します。

また、日本の大学の半分以上は、学校に入るための試験に日本留学試験(EJU)の成績を使っています国立大学においては、ほとんどすべての学校が使っています。専門学校でも日本語力の審査のために日本留学試験(EJU)または日本語能力試験(JLPT)の成績を参考にすることがほとんどです。

・受験資格

日本の大学等に入学を希望する外国人留学生であれば、誰でも受験することができます。年齢や国籍、学力などに関する制限もなく、広く留学を志望する学生に開かれている試験です。

・受験料

日本留学試験の受験料は、受験する科目の数や受験地(国内または国外)によって異なります。国内の場合、1科目のみ受験する場合は10,000円(税込)、2科目以上は19,000円(税込)です。一方、国外の場合、各国の通貨で設定されています。

受験料の詳細については公式サイト等で受験回の試験実施要項を確認する必要があります。受験料に関しては、試験の実施年度や国によって変更される可能性があるため、最新の情報を確認ください。

・試験科目

試験科目は、日本語、理科(物理、化学、生物)、総合科目(日本及び世界に関する問題)、数学の4科目構成になっています。

各科目は受験者が志望する大学や学部の入学要件に基づいて選択します。なお、理科は必ず2科目を選択しなければなりません。また、理科と総合科目は同時に受験することはできません

「日本語」と、基礎学力を測る「総合科目」「数学」「理科」の4科目のうちから、1科目から3科目までを選んで受験します。「総合科目」「数学」「理科」は、日本の高等学校の学習指導要領に準じた内容となっており、学校や学部、コースによって学校に入るための試験に使う科目が異なります。よって、入学を希望する学校が指定している科目をEJUの試験を受ける前に確認する必要があります。

日本留学試験には1級や2級といった等級制度はなくスコアで成績が出るため、試験内容は同一です。解答形式は、日本語のみ記述式問題がありますが、この他はすべてマークシート方式です。出題言語は原則日本語ですが、日本語科目以外の科目は英語での受験も可能です。

・科目/日本語

日本語科目は、留学生が日本の大学での学習に必要な日本語能力を測るための科目で、読解、聴解、文法、語彙など、実用的な日本語使用能力が問われます。

試験は大きく分けて、「記述」「読解」「聴解・聴読解」の3領域あります。アカデミックな場面で必要とされる言語能力を評価し、留学生が日本での教育を十分に受けられるかの判断材料となります。

日常的なコミュニケーション能力を超えた、アカデミックな場面で求められる日本語の理解と使用能力を高めることが必要です。多読による読解力の向上、ニュースや学術的な内容を含むリスニング教材での聴解力強化が対策ポイントで、幅広い文法と語彙の知識が求められることから、日本の大学等での勉強に対応できる日本語力(アカデミック・ジャパニーズ)を測定します。

時間と配点は、「記述(書く問題)」30分(50点)、「読解(読んで理解する問題)」40分(200点)と「聴解・聴読解(聞いて理解する問題)」55分(200点)で合わせて400点満点となっています。

「記述問題」は、2つ以上のテーマのうちから1つを選んで、指定の文字数で質問に答えます。読解、聴解・聴読解の問題は、すべてマークシート方式です。「読解問題」は、日本語で文章問題と選ぶ答えが書いてあります。「聴読解問題」は、問題が書いてある本に書かれていることを見ながら、音声で流れる問題に解答します。聴解は、問題も選ぶ答えもすべて音声で流れます。

・科目/理科

理科は物理、化学、生物の3科目構成で、2科目を選択します。1科目のみの受験は認められません

日本の大学等での理系分野の学習に必要な基礎学力を測ります。日本留学試験の理科の問題レベルは、日本の大学入学共通テスト(旧センター試験)と同等か、それに近いレベルを想定していると考えられます。具体的には、高校レベルの基礎的な理科の知識と理解、及びそれらを用いた問題解決能力が求められます。

必要なのは基本的な概念や原理の徹底的な理解と、それらを用いた問題解決能力の向上です。物理、化学、生物それぞれの分野で高校レベルの内容をしっかりと習得し、問題集と過去問を多く解くことで、知識の定着と応用力を養うことが重要です。80分(200点満点)で、理科(物理・化学・生物)の基礎的な学力を測定します。

・科目/数学

数学では、日本の大学での学習に必要な数学の基礎学力を測定します。

「コース1」と「コース2」の2つのレベルがあり、どちらかを選択して解答します。「コース1」は基礎的な数学能力を問うもので、主に文系学部を目指す学生向け、「コース2」はより高度な数学能力を測るもので、理系学部を目指す学生向けです。志望大学の学部や学科の入試要件に合わせて選択する必要があります。

試験問題は理科と同様に、大学入学共通テスト(旧大学入試センター試験)と同等のレベルを想定して作問されていることから、「コース1」は大学入学共通テストの数学Ⅰ・Aの内容が中心で、「数と式」「確率」「2次関数」などが出題されます。「コース2」は大学入学共通テストの数学Ⅱ・Bの内容が中心で、「三角関数」「複素数」「対数」「ベクトル」などが出題されます。80分(200点満点)で、数学の基礎的な学力を測定します。

・科目/総合科目

総合科目は文系の基礎学力を測る科目で、社会科学と人文科学の幅広い分野から出題されます。

範囲としては、日本の高校では「地理歴史・公民」にあたります。ただし、日本留学試験は外国人留学生のための試験であるため、文化的背景や教育システムの違いを考慮した出題がされているようです。

このため、どちらかといえば、現代のグローバルな視点に関する問題が多くなっています。例えば、現代の世界的な社会問題や現代の経済政策、歴史に至っては近現代史が出題されます。また、日本に関する問題も散見され、日本国憲法や日本地理、日本の戦後史などが出題されます。80分(200点満点)で、文系の基礎的な学力を測定します。

・点数と合格レベル

日本留学試験の点数は、素点ではなく尺度点に換算して表します。

尺度点とは、欧米諸国の試験で一般的な統計理論に基づく得点等化という方法で算出された点数で、得点等化により、受験回ごとの難易度の違いによる点差を極力小さくすることができます。

この方法は、TOEICや日本語能力試験(JLPT)でも採用されています。ただし、日本語の記述問題は例外で、採点基準に従い、「0点、10点、20点、25点、30点、35点、40点、45点、50点」で得点を出します。平均点は各科目ともおおむね60%前後で、数学のみ50%前後で推移しています。

過去の実施結果は、JASSO公式サイトで確認でき、各大学の合否は日本留学試験と大学独自の試験結果によって、決まります。

日本留学試験の得点の目安としては、東大・一橋大学などの難関国立大学で各科目9割程度、早大・慶大・上智大などの難関私立大学で各科目8.5割程度が必要とされています。このほか、外国で受験して来日前に合否結果がわかる「渡航前入学許可制度」を導入している大学等もあり、これらの合格目安はJASSO公式サイトで公表されています。

日本留学試験(EJU)の課題

いくつか挙げられる課題点や問題点について、紹介します。

・難易度が高く、独学での学習が難しい

まず、日本語能力試験(JLPT)と比較してみると、日本留学試験(EJU)の日本語科目は、日本の大学等での勉強に対応できる日本語力(アカデミック・ジャパニーズ)の測定を目的としています。
これに対し、JLPTは、一般的な日本語能力の測定を目的としています。試験問題の構成としては、EJUには記述問題がありますが、JLPTにはありません。一方、JLPTには言語知識(文字・語彙・文法)を問う問題がありますが、EJUにはありません。また、読解、聴解・聴読解(JLPTでは聴解)といった出題形式が共通するものもあり、それぞれの試験でそれぞれの目的に合った問題が出題されます。
なお、試験の難易については、単純に比較することはできません。上記のとおり、二つの試験では測定する内容と問題の傾向が異なるためです。ただ、JLPTの最高レベルであるN1と比べてみると、EJUの日本語科目は同等レベルであると考えられます

日本語科目以外の科目に関して、日本語で問題が出題されることから、何を出題されているか理解する必要があります。数学や理科といった科目において、母国での成績が優秀であったとしても、出題内容が理解できなければ答えられないため、家庭教師や塾などの指導教師が必要な場合があります。

総合科目においても、日本の歴史や文化習慣といったような内容であれば、一定以上の専門的な知識が必要となります。必要に応じて日本語のみならず母国による指導を受ける場合も少なくないです。

・日本語科目以外を指導できる日本語教師

日本留学試験(EJU)は、日本の大学等への入学を希望する外国人学生にとって非常に重要な試験のため、志望大学によっては非常に高い得点が求められます

特に日本語科目は、他科目と異なり、日本語教師のサポートが必要不可欠です。そのため、日本語教師には単に日本語の文型や会話表現を教えるだけでなく、日本留学試験の対策指導も行えるスキルが求められます。

また、教員免許を持っている方や塾での受験対策の経験のある方は、日本語科目のみならず、他科目のサポートもできると活躍の幅が広がります。特に、進学を希望する留学生を主としている日本語学校においては、EJU対策に力を入れているので、興味のある方は、探してみるのも良いかもしれません。

日本留学試験(EJU)対策授業って、どんなことをするの?教師に必要なスキルは?

・試験の全体像を意識する

たとえば、3科目の合計で600点を目指したいという場合。

3科目の内、数学は得意なので150点以上は固いが、地歴は苦手なので総合科目は120点前後。そうすると、残った日本語で330点以上は取らないと600点行かない、という計算ができます。その日本語には聴解(聴読解)と読解があって、それぞれが200点満点。読解は得意なので180点は取れるが、そうなると聴解(聴読解)では150点が必要。

というように、優秀な学生の場合は、上記のような全体像が想像できます。そこまで達していない場合は、その目標得点を各学生の属するレベル帯から教師が示してあげる必要があります。

つまり、EJU総得点における日本語の重要性と目標設定をさせることが重要です。日本語の得点レベルが200~300点と予想される学生向けに読解、聴解聴読解でどちらが苦手であるかを意識させ、その上で読解は訓練次第で、2週間程度でも得点の向上が可能であることを説明し理解させます。

読解問題の構成でいうと、全17題25問(短文形式10題、長文形式7題、最終問題は問3つ)ありますが、基本的に読解問題は、1題400字〜500字の文章について設問が1つです。そして、その答えを1~4の選択肢の中から1つ選ぶという形式です。次に長文形式1題800字〜1000字程度の文章に、設問が2つないし3つあり、その長文形式が7題あります。

また、他の日本語試験も同様ですが、対策では過去問に触れることが何より大切だということです。

・時間配分を意識する

時間配分において、結論からいうと「1問=90秒で解く」ということです。

1問90秒とはどういうことかというと、読解の問題は全部で25問、試験時間は40分です。1問90秒で解いていった場合、150秒=2分30秒という時間的な余りが生じます。この2分30秒というのが非常に重要で、その時間に初めて見直しをしたり、あるいは迷って適当にマークした問題を解き直したりするのです。つまり、2分30秒を捻出できて初めて見直しや解き直しができるので、1題ごとに見直しをしている時間はないということです。

そのため、見直しや解き直しをしていてなかなか先へ進むことが出来ない学生は、そもそもの日本語力を上げる対策が必要かもしれません。読解は、内容の難易度以上に時間との勝負と言えます。

・「読解」は「探解」

時間配分が決められている以上、短時間で答えを導くためには戦略が必要です。その戦略が、「探解」です。つまり、文章を「読まない」で「探す」ことです。

読解の対策授業をしているときに見かける光景で、上級レベルの学生が問題を解いている時に、笑ったり頷いたりすることがあります。その問題を見てみると実際、問題文(筆者の意図、主張)に対して反応しているのですが、それは「文を読んでいる」ためです。できる学生ほど文章が分かるため文章を1つ1つ理解しながら読み進めようとするのですが、それが結果として時間を奪うことになってしまいます。

そうではなく、読解問題は「探す」「探解」なのだと教えます。つまり、スキャニング(必要な情報探し)やスキミング(大意の把握)のことを言っていますが、学生には「読んではいけない、探すのだ」と強調し説明します。

・問題を解く順番

1. 出典の確認

これは大意把握です。タイトルを読めば、その文章の内容が読まずとも分かる場合があります。

2. 設問を読む

どういった設問かにより、問題文の解き方が変わります。

3. 選択肢をよく読む

設問からの流れで、読み手の一般常識や、選択肢中の表現により選択肢を絞ることが可能です。

4. 本文を見る

「読む」ではなく「探す・見る」ことです。まず探すのは、接続詞、文末表現、キーワードの3つです。選択肢にある言葉の「言換え・類似表現」を探すことも重要です。

 

上記の順番で解く理由には、どれだけ本文をじっくり読まずに済ませるか、です。言い換えれば、本文を読むという負担を軽くできるかがポイントです。短文形式でも500字はある文章を1題ずつじっくり読むとなると、時間がいくらあっても足りません。読むべきところはどこか、逆に読まなくても良いところはどこかなど、本文を読む前から、ある程度絞っていかなければならないためです。


・知っているようで意外に知らない「消去法」

知っている学生も多いですが、「消去法」は、読解対策の授業において、改めてその重要性を教えます。上記3の「選択肢をよく読む」にもあるように、選択肢にはこう書いてあるけれど、一般的にはこうだから間違ってる、おかしいよね、と判断できることが少なくありません。

EJU読解でいえば選択肢が4つなので、その中の1~2つは本文を読まずに消せる場合もあるということです。確率的にも選択肢4つのうち3つは間違っているわけですから、「誤答」を消した方が早い場合があります。もっとも、それを想定したミスリードの選択肢もあるので、すべてをこの方法で解答していくことは危険ですが、一つの方法として、正しい答えを選ぼうとする方法の他に、選択肢を狭めるという方法があることも知っておきましょう。

・まずは、教師自身で解いてみる

読解全25問、教師自身が実際に問題を解いてみましょう。

通常40分のところ20分で答えを導きます。それができたら、今度は問題を変えて15分で解いてみます。1問あたり36秒です。それを少なくとも学生が解くのと同じ問題・回数行います。

重要な点は、問題を解きながらどこをどう見て、どこにチェックを入れているかなど意識することです。それが、学生に対しての指導のポイントになるはずです。

日本留学試験(EJU)以外の日本語の試験について

前回のコラムでお伝えした日本語能力試験(JLPT)以外にも、「STBJ(標準ビジネス日本語テスト)」、「JFT-Basic 日本語基礎テスト」、「J.TEST実用日本語検定」などの日本語試験を紹介しましたが、他にも下記のような試験があります。

今回は、「日本語NAT‐TEST」「伝わる日本語会話力評価 AJCS」について紹介します。

 

・日本語NAT-TEST

レベルが5段階に分かれておりJLPTと近い日本語試験であることから、JLPTを受験する学生向けの試行試験として受験してみるのもいいと思います。JLPTは年2回ですが、NAT-TESTは年6回あるので、模試のような感じで受験してみるのもオススメです。

【目的】日本語を母語としない日本語学習者の日本語能力を判定

【概要】主催・運営:日本語NAT-TEST運営委員会

【実施時期】年6回(2月・4月・6月・8月・10月・12月) ※1級と2級は年3回

【試験形態】指定日時・指定会場でのペーパーテスト

【受験料】5,500円(税込)

【判定方式】合格/不合格の認定制。成績証明到着までの所要時間:約3週間

【測定内容】「文字・語彙」「聴解」「読解」の3分野

【レベル】5級、4級、3級、2級、1級の5段階

 

・伝わる日本語会話力評価 AJCS

AJCSの各レベルの目安として10段階あり、会話力が測れる珍しい日本語試験です。

【目的】バランスの取れた日本語コミュニケーション力を判定し、よりよい人材と機会のマッチングの適切化・効率化を進める

【概要】主催・運営:グローバル日本語学習支援機構

【実施時期】随時予約可能

【試験形態】テスターとの1対1のインタビュー形式(オンライン)

【受験料】5,800円(税込) ※団体割引あり

【判定方式】ランク・クオリティ制

【成績証明到着までの所要時間】約3週間

【測定内容】発話力、聴解力、応答力、タスク遂行力、読解力など実際の会話での「伝わる会話力」の判定、「Communication Strategy」「流暢さ」「語彙力」の発話クオリティー判定

【レベル】10段階のコミュニケーション総合力評価

まとめ

日本留学試験(EJU)は日本語能力試験(JLPT)と比べて、受験者の受験目的や受験結果の使用がはっきりしています。日本語教師は日本語を教えるのみならず、試験対策にも対応する必要があります。

EJUは記述試験もあることから、JLPTとは異なる指導スキルが必要となります。進学を目指す学生からの需要が多い分野なので、教師も指導方法のブラッシュアップやスキルアップをしておくと活躍の幅が広がるでしょう。

最後に、学生の点数が少しでも上がるよう下記にまとめましたので、ご参考ください。

 

日本語科目を重視

EJUの満点は800点(作文50点を含まない場合)、各科目の点数配分は日本語400点数学200点、文系の場合は総合科目200点、理系の場合は物理・化学・生物の2科目を選択して200点。どの専攻を受験しても日本語科目は必須ですので、日本語の勉強を重視しましょう。

易しい問題は確実に点数を取れるように
EJUの特徴は、簡単な問題が大半占めています。解答率が少ない難しい問題は最終的に採点対象にならないことがあります。限られている試験時間の中、たくさんの問題を解かないといけませんので、難しい問題を無理して解くことより、簡単な問題をミスなく確実に点数を取れるようにすることが点数UPの秘訣です。普段の勉強から意識をして、簡単な問題を軽視しないことを心掛けましょう。

「オリジナル問題集」を作り、繰り返し練習する
試験本番までに、たくさん模擬試験と過去問題を練習することをお勧めします。練習問題で間違ってしまった問題を書き留めて、自分だけのオリジナルの問題集を作成しましょう。オリジナル問題集を活用して、繰り返し練習することが得点UPするには確実な方法です。

総合科目の勉強法
総合科目の出題範囲は、「地理」「歴史」「経済」「政治」「現代社会」「国際社会」の6つの分野です。経済と政治についての内容は比較的に多いですが、各科目には関連性がありますので、経済と政治だけを勉強するのではなく、すべての科目をまんべんなく勉強しておくべきです。とはいえ、覚える内容がとても多いので、参考書や過去問題をよく読んで、出題されているポイントをまとめましょう。ポイントをまとめた上で過去問題を繰り返し練習することが高得点獲得への近道です。

参考

・日本語能力試験(JLPT): https://www.jlpt.jp/

・日本留学試験(EJU): https://www.jasso.go.jp/ryugaku/eju/index.html

・日本語NAT-TEST: http://www.nat-test.com/index.html

・伝わる日本語会話力評価(AJCS): https://japanesefoundation.org/ja/

この記事の筆者
勝裕之先生
日本語教師養成講座 講師
勝裕之
養成講座修了後、ベトナム(ホーチミン)で日本語教師デビュー。
複数の日本語学校で計8年勤務し、23年4月からフリーランスとなる。現在は「やさしい日本語」普及連絡会に所属しながら、様々な市町村にて講義・セミナーを実施。また、外国人材受入企業にて「JLPT指導対策講座」や日本語教育における執筆活動など、多方面に活動中。
2023年よりTCJ日本語教師養成講座講師を担当。

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