月収は?年収は?気になる日本語教員の給料をご紹介!
概要
「日本語教師という仕事に興味を持ち始めたけど、日本語教師はどんな収入体系になっているの?」「お給料事情が厳しいって聞いたこともあるけど、実際のところはどんな感じ?」インターネットで日本語教師の求人などを調べると、ある程度のコマ給や月給を知ることができます。しかし実際に日本語教師がどのように収入計画をしているのかなどの、具体的な部分まではわからないことが多いですよね。今回は、気になる日本語教師のお給料事情や、収入計画の立て方をご紹介します。
日本語教師の給料は低い!?
みなさんは、「日本語教師は薄給」というような話を聞いたことがあるでしょうか。
「日本語教師 給料」などと検索すると、ネガティブなワードが出てきてしまい心配になってしまったという方もいらっしゃるかもしれません。
日本語教育に限らず、教育やサービスの業界は一般的に「収入が低い」というイメージを持たれやすく、「専門職とはいえ、資格があっても、生活が厳しいのではないか?」と感じて躊躇される方も少なくありません。
しかし、実際には、自分の生活を楽しみながら日本語教師を長く続けている方がたくさんいらっしゃいます。非常勤など、経済面で安定しにくいと考えられている職種でも、収入計画を作っていくことで正社員同様の環境を作ることは十分に可能です。現に筆者自身も、別業界で正社員で働いていた時よりも、非常勤講師の現在の方が収入としては実は上がっています。
新卒など若い層の方では「一般企業から日本語教師に転職することはできるが、その逆は難しい。まずは一般企業に就職したほうがいい」と言われることもあるようです。もちろんそれも一つの選択肢ですが、実際には、別の職歴を経て日本語教師になった方、正社員の教師からフリーランスの教師になった方、その逆の方、新卒で日本語教師になった方、日本語教師から別の職種に転職し、また時間を経て日本語教育に戻られた方など、色々なケースがあります。
今回は日本語教師の異なる働き方とそれぞれの収入のイメージを、例を交えてご紹介します。みなさんの目指す働き方がどれに近いか考えながら、お読みいただければと思います。
働き方によって給料は異なる!
日本語教師にはいくつかの異なる働き方があり、雇用形態によって給与形態も違います。主な契約形態と給与形態の概要は次の通りです。
1)専任
専任は一つの学校・機関で専属で働くフルタイムの講師のことです。授業はもちろんのこと、学校の運営全般に関わる広い業務を担当します。一般企業の正社員と同様、月給制あるいは年俸制で、賞与なども支払いの対象となります。
2)常勤(準専任)
「常勤」という名称は専任と同じ意味で使われる場合も多いですが、分ける場合には非常勤と専任の中間的な職種として扱われ、「準専任」と言われることもあります。「学校の運営業務には携わらない、授業を中心に担当するフルタイムの講師」といったイメージです。学校や教育機関によって制度が異なりますが、契約社員・あるいは正社員の雇用形態で契約されることが多いようです。常勤も専任同様、基本的には月給制です。専任になる前のステップとして常勤が設置されていることも多いです。
3)非常勤
非常勤はコマ単位で働く講師で、一般的なシフト勤務やパートタイムの働き方に似ています。週3日など、担当する授業がある日・時間のみ出勤する働き方です。非常勤の給与は通常「コマ給」などと呼ばれ、「45分1コマ×担当コマ数」で担当授業数に応じた額が支払われます。
それぞれ契約形態の違いについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
実際の日本語教師の給料を知ろう!
では実際に専任・常勤・非常勤の給料と仕事内容を見ていきましょう。
1)専任
専任講師の平均月収は20~25万円程度が一般的です。初任の場合は基本給が23万円程度で、さらに福利厚生や各種手当、学校によっては賞与などが加算されます。
年収としては300~400万円程度が一般的ですが、キャリアが上がっていくに従って給与額は変動します。
・専任の1週間のスケジュール
平均的には、1週間あたり16~20コマほどを担当します。午前午後どちらかは授業が入ることが多く、空いている時間で学生対応や営業・広報などの学校運営業務、面談やカリキュラム・テストの作成など事務的な業務を行います。非常勤講師の採用・育成に関わる業務が入ることもありますし、日本語教師養成講座を持っている学校であれば、養成講座の授業などを担当することもあります。
2)常勤
常勤は契約社員あるいは正社員での契約で、1年など期間が決められていることも多いです。月収18~23万円程度が一般的で、「20時間契約の常勤」「30時間契約の常勤」など専任講師よりも短めに勤務時間が設定され、「専任の給与の50%~80%」など業務量や時間によって給与額が決められていることもあります。
掛け持ちが可能であれば、他の仕事と組み合わせることも可能です。他のパートやアルバイト、大学院などの研究活動をしながら常勤講師として働くという人もいます。
担当コマ数は専任と概ね同じですが、契約時間によっては週12~16コマなど少し専任より少なめになることもあります。授業以外の時間は授業準備やテスト採点など、授業関連の業務のみをおこないます。月の契約時間が短く設定されている場合は、授業終了後少し早めに帰宅する場合もあるでしょう。
3)非常勤
非常勤は「コマ給」の収入がベースになります。国内の日本語学校などでは、1コマ45分あたり1600-2000円程度が相場と言われており、担当する授業数に応じてコマ給×授業数の額が給与として支払われます。学校や機関によっては非常勤講師もクラス担任などを担当できるケースがあり、その場合はコマ給+一定額のクラス担任手当(例:担任1クラスにつき月1万円など)が上乗せされることもあります。
日本語学校は通常午前午後でそれぞれクラスが分かれており、午前クラス3時間、午後クラス3時間でひとつのまとまりになっています。非常勤教師が一回のシフト(午前午後どちらかひとまとまり)に入った場合は、45分×4コマ=3時間分のコマ給が支払われることになります。
・非常勤講師の収入例
1日当たり 1コマ45分1,800円×4コマ=7,200円
週2日勤務(8コマ担当)の場合→7,200×8=月57,600円
週4日勤務(16コマ担当)の場合→7,200×16=月115,200円
また、授業準備の手当がよく話題になりますが、これは勤務先によって異なります。
1 授業給のみ支給
2 授業給+授業準備も含めた1回分を定額の「ユニット給」として支給
3 授業給+決まった手当(時給1時間分など)をコマ数に応じて支給
4 授業給+準備にかかった時間(上限〇円までなどの規定あり)に応じて支給
5 授業給+かかった時間分全額支給
多くの学校・機関では1~3のいずれかのシステムを採用しているかと思いますが、学校によって独自の給与形態を持っている場合もあるので、事前に確認するようにしましょう。
※上記の給与は一般的な留学生向けの課程を想定していますが、プライベートレッスンや就労者・生活者向けの課程では、留学生向けの課程とは授業時間や給与額が異なる場合があります。(例:プライベートレッスン1時間2000円~2500円など)
掛け持ちをする場合の収入は?
複数の日本語学校などで掛け持ちをする場合もあると思いますが、掛け持ちをした分だけ授業数を増やせるわけではないため注意しましょう。「日本語教育機関認定法」において、各教員の担当する授業数は週25単位時間が上限と決められているため、複数校の掛け持ちであっても担当できる授業数には制限があります。
日本語学校のクラス授業は通常、4~6月、7~9月、10~12月、1~3月と、3か月ごとに学期が分かれており、各学期の間に2~3週間の休暇があります。非常勤の場合、この学期の間は授業がなく収入が減るため、その点を加味した収入計画を持っておくと安心です。
・繁忙期や休みが重ならない仕事を組み合わせる
・スケジュールや業務量の変化がある仕事と固定的な仕事を組み合わせる
・コマ給・時給・成果物単位の仕事など、質の異なる仕事を組み合わせる
など、バリエーションを持たせることによって相互補完できるようにするのも一つの方法です。
【掛け持ちの例】
1)複数の日本語教育機関で掛け持ちをする
2)非常勤講師として働きながらフリーランスとして個人でも活動する
3)別業界の仕事などと掛け持ちをする
4)自営業の仕事や家業と掛け持ちをする
どのような形が自分に合いそうか、考えてみてください。
一例として、筆者の場合をご紹介します。
・非常勤日本語教師(6年目)
掛け持ち:3社
A社(日本語学校)非常勤講師
B社(日本語教育関連企業)非常勤講師
C社(別業界)アルバイト
【業務・収入の内訳】
・A社
就労者・生活者向けプライベートレッスン(担当7名、週20時間)
記事の執筆業務(週5時間)
学校運営に関わるカリキュラムや教材の作成業務(週5時間)
収入:約18~22万円
・B社
就労者向けグループレッスンやプライベートレッスン(週1~2回、各90分)
担当する案件の教材や試験問題、カリキュラム作成など(3~6時間/週)
収入:約5~7万円
・C社
週1回、4~6時間のシフト勤務
収入:約2万円
月収合計:約25万円~30万円
月によって差はありますが、おおむねこのような割合で収入を得ています。
筆者の場合は業務量・質のバランスを取るため、日本語学校と日本語学校以外の現場、そして日本語教育業界ではない仕事を掛け持ちしています。時間ではなく案件ベースでの勤務のため、一日の中で移動が発生したり、複数の会社の仕事をおこなったりすることも多いです。スケジュールなどの自己管理には気を使う必要がありますが、質の違う複数の仕事を持つことによって、収入や業務量の凸凹をある程度ならすことができています。
それでもお盆や年末年始などの長期休暇はやはり収入が下がりやすく、長期休暇と案件の期間満了が重なるなど「業務の切れ目」となる月では収入が18万程度になることもあります。そこまで頻度は多くありませんが、そのような月もあることを想定し、収入が多い月に多めに貯蓄をしておくなどして対応しています。
現在はプライベートレッスンや就労者向けの授業が主な担当ですが、留学生のクラス授業を担当していた際は他の業務量を調整し、「午前中はゆっくりして午後は出勤」「プライベートレッスンの合間に毎日2時間ずつクラスの授業準備を進める」など小分けにして進めていました。
フリーランスなら、自分次第!
ここまでは日本語教育機関での勤務を想定してお話ししてきましたが、もう一つの選択肢として「フリーランス」を考えることもできます。
フリーランスであれば自分でレッスン料を設定することができるため、収入計画も立てやすくなります。軌道に乗るまでは掛け持ちなどをする方も多いようですが、顧客が定着すれば安定した収入となります。
フリーランスでは1時間3000円~が相場と言われています。一日3~5レッスンほどの数を受け持った場合、18~30万円ほどの幅で収入が見込めます。
契約や危機管理等も個人の裁量になるため知見が必要になりますが、前職の知識経験を活かして特定の業界に特化した日本語教育を提供するなど、独自のブランディングで新しい日本語教育の形を作っていくこともできます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、日本語教師のお給料事情を紹介してきました。なかなか経済事情の本当のところは人にも聞きにくいものですよね。
今回ここで紹介したものは一例ですが、色々なパターンの一つとしてぜひ、ご自身の収入計画の参考にしてみてください。
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生成AIとは?日本語教育での活用方法を紹介!
IT技術の発展とともに教育現場のICT化が進み、日本語教育の分野でもIT技術が活用されるようになってきています。今回は、その中でもAI(人工知能)に注目し、言語教育の現場での活用について見ていきます。既に使ったことがある方にも、これから使い方を覚えたいという方にもご一読いただきたい内容となっています。