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夢の海外就職!日本語教師が活躍できるフィールドをご紹介!

概要

日本語教師を目指している方や、すでに日本語教師として働いている方の中には、海外で働いてみたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

かくいう筆者自身も、海外で働くために日本語教師という職業を選んだ一人です。

今回の記事では、日本語教師が活躍できる海外でのフィールドについてお伝えします。

目次

一度は海外で働いてみたいと思いませんか?

日本語教師を志している方、日本語教師として働いている方であれば、海外に興味がある方が多いのではないでしょうか。一度は海外で働いてみたいけど、国内の日本語学校就職に役立たないのでは?と考えている方に向けて、こちらでは海外で日本語を教えるメリットをご紹介します。

現地教師と連携を取りながら授業ができる。

 元日本語学習者でもある現地教師から現地に特化した教え方や、学習者のつまずくポイントを学ぶことができます。中級から上級の日本語学習者でもある現地教師の視点は、学習者のやり取りをするにあたり、とても大切です。また面談や事務連絡は現地の言葉で行うのでスムーズです。

学生が日本に来る前にどのような環境で学んでいるか目の当たりにできる

 教材が少なく、コピー本で勉強している様子や、技能実習生の場合は研修施設で寮生活を送るなど日本語学校に入る前にどのような環境にいるのかを知っておくことで、国内で同じ国の学習者がいる場合は授業づくりの参考になります。

日本人が一人しかいない場合、授業設計を一人でできる。

 勤務先に日本人は一人か二人だけということもあるでしょう。

 その場合は、責任者としてカリキュラム作成等の授業設計を行うことができるので、国内の日本語教師業にも活かすことができます。

現地の言葉や文化を学ぶことができる

 もしその国の言葉を学びたいと思っているなら、働きながら自分自身の外国語の勉強もできるでしょう。また勤務先の言葉をすでに話せるのであれば、媒介語として授業で使用することができます。

日本語学習者ってどこに住んでいるの?

まず、国内の日本語学習者の総数は約26万です。それに対して、国際交流基金の調べによると、海外の日本語学習者の総数は約380万人と(比較する年が違うので一概に比べられませんが、)国内の学習者総数の約14倍の日本語学習者が海外にいることが分かります。

 

国内も海外と比べて地域の順位にほとんど相違はありませんが、グラフを見ていただくと分かるように、海外の学習者の約8割がアジア地域です。オーストラリアを含む大洋州は、初等・中等教育で日本語を学習している人口が多く、アジア地域に次いで2位となります。全世界の初等教育の学習者のうち8 割近くをオーストラリアが占めています。

 

■地域別学習者数の割合

 

(国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査 報告書」より)

 

日本国内で日本語を学習している人々の中で、最も多いのはアジア地域出身の学習者で、全体の約8割を占めます。さらに、上位3か国(中国、ネパール、ベトナム)だけで、全体の56%となります。

一方、海外の学習者のデータを見ると、1位は中国と同様ですが、2位はインドネシア、3位は韓国となり、来日して勉強をしている学習者の出身国と違いがあります。

 

■学習者数における各国・地域の割合

 

(国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査 報告書」より)

 

学習者数を教育機関別にみると、国内では法務省告示機関(ほとんどが民間の日本語学校)が46.4大半を占めますが、海外では中等教育の割合が多く、いわゆる民間の日本語学校を含む「学校教育以外」の割合は一番少ないという特徴があります。

 

■教育段階別機関数・教師数・学習者数の割合

 

(国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査 報告書」より)

 

海外で働く日本語教師は多い?

海外で働いている日本語を母語とする教師は、約1万5千人おり、これは非母語話者教師を含めたすべての日本語教師の17.7%にあたります。日本語母語教師の勤務先でいうと学校教育以外の機関で働く教師が一番多いという結果でした。ただ全教師に対する日本語母語教師の割合は初等教育が多いです。

 

■教育段階あたりの教師数・日本語母語教師数

 

(国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査 報告書」より)

 

地域別に見ると東アジアが日本語母語話者、日本語非母語教師数ともに多いものの、日本語母語話者の割合でいうと西欧が最も多く、次いで北欧というのが興味深いです。

 

■地域別日本語母語教師・日本語非母語教師数

 

(国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査 報告書」より)

どうやって海外で働く?

では具体的に日本語教師が海外で就職するにはどのようなフィールドがあるでしょうか。

代表的なフィールドの仕事内容などをご紹介します。

 

JICA青年海外協力隊

JICA海外協力隊の開発途上国からの要請に基づいて派遣されます。

その中でも「日本語教育」隊員の役割として、派遣国で現地教師の日本語運用能力や教授技術の向上のための協力や、日本文化祭・スピーチコンテスト等のイベントの企画・実施、教材の作成、カリキュラムやシラバスの見直しが挙げられます。

主な配属先は世界各国の中学校・高校、大学、専門学校、日系日本語学校等です。

派遣先によっては応募条件に実務経験必須となっていないところもあるようですが、即戦力として学校などで日本語の授業を行うこと、同僚教師の成長を助けることが求められることが多いです。

応募前にクラス形式での授業は経験しておいたほうが良いでしょう。

また、20~45歳が応募できる青年海外協力隊や69歳まで応募できるシニア海外協力隊など、仕事内容や派遣期間によって応募区分が変わります。

 

EPA(経済連携協定)日本語予備教育事業

EPA(経済連携協定)による日本語教師の仕事は、看護師・介護福祉士候補者への日本語教育が中心です。

フィリピンとインドネシアは、国際交流基金が約6か月間日本語教育を行っており、プログラム修了までに初級後半レベルの習得を目指しています。

一方ベトナムは、大手日本語教育事業者が委託を受けて約1年間日本語教育教育を行っており、JLPTのN3に合格しなければ日本への渡航が認められません。

一口にEPAと言っても、プログラムによって教える内容や雰囲気も異なります。

どの国のEPAの学習者であっても、将来は日本で看護師や介護士として働くことになります。そのため、カリキュラムの中には、日本で生活するために必要なことを紹介する内容が含まれているようです。

 

・海外の大学

海外の大学での日本語教師の仕事は、日本語の授業や教材作成、カリキュラム設計、試験作成・採点、学習指導、また日本文化紹介イベントの企画運営など多岐にわたります。

ほとんどの大学が求人の応募条件に日本語学や日本語教育学の大学院修了資格を求めているため、就職を目指す場合は、大学院進学を検討することになるでしょう。

 

民間の日本語学校

海外の民間日本語学校で日本語教師として働く場合、授業の準備・実施、教材作成、学習進捗の管理が主な仕事です。また、異文化理解を深める活動や、日本文化に関するイベントの企画・運営も行い、学生の日本語習得を支援します。

また、日本語学校にも寄りますが、その学校で日本人教師が1人や2人だけということもよくあることです。

その場合は、学校側のネイティブである特性を活かしてほしいという想いから、文法だけでなく、発音や会話の授業をお願いされることがあるかもしれません。

 

ワーキング・ホリデー(ワーホリ)

ワーホリで日本語教師として働く場合、主な求人としてオーストラリアやニュージーランドが多いため、自ずと公立の初等教育機関(小学校)や中等教育機関(中学校)で教えることになるでしょう。

授業内容としては、日本語の会話や文法を教える授業を担当します。生徒のレベルに合わせた教材作成、授業進行、学習サポートが求められます。

また、文化交流やイベントの企画、生徒たちとのコミュニケーションも重要な仕事です。

 

・ボランティア

海外でボランティア日本語教師は「アシスタントティーチャー」として、教師のサポートをすることが多いです。日本語教師としての資格が不要な場合もあるようですが、初級会話や生活に使う日本語を伝えることも多く、資格や教授経験があったほうがよいでしょう。

その他、異文化理解を深める交流活動など、ボランティアといっても学習者のニーズに応じた柔軟な対応が求められます。また、求人によっては有給のボランティアもあります。

まとめ

以上、国内や海外のデータを比較しつつ、実際海外就職をする場合の具体的な仕事をご紹介いたしました。

筆者が海外で日本語教師として働いた経験から、現地教師とともに授業をつくれたことは教師としても成長につながったように感じます。

また、異国の地で生活する不安感や緊張感は、日本国内で不慣れな生活を送る学習者の気持ちに共感でき、国内で日本語教師として働く場合にも役立つと実感しています。

もし興味がある場合は、ぜひ海外就職にチャレンジしてみてください。

引用

国際交流基金「2021年度 海外日本語教育機関調査 報告書」

https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/dl/survey2021/all.pdf

 

国際交流基金「EPA(経済連携協定)日本語予備教育事業―事業概要―」

https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/education/training/epa/about.html

 

JICA「日本語教育隊員とは」

https://www.jica.go.jp/volunteer/application/long/job_info/japanese/

 

JEGS ジェグス・インターナショナル「日本語教師アシスタント―国際日本語ボランティア活動」

https://www.jegsi.com/jat/about-jat

 

文部科学省「令和5年度 日本語教育実態調査結果(全文)」

https://www.mext.go.jp/content/20241101-mxt_chousa01-000038170_02.pdf

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この記事の筆者
TCJ日本語講座 非常勤講師
蔭山 佑佳
教育IT業界にてWebマーケティング業を経て、国内日本語学校で非常勤講師、公的機関で日本語教育に携わったほか、技能実習生などにオンラインで指導を行う。現在はビジネスマンや児童に日本語を教えており、日々幅広い年代の学習者と向き合う中で、日本語指導の奥深さを感じている。学習ストラテジーや自律学習に興味あり。

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